広大地判定を行う場合には、対象となる土地の状況に応じて事前の準備が必要となります。
特に、広大地の面積判定は重要であり、財産評価基本通達8にいう「実際の面積」に近づける努力が必要です。
ここでは以下の場合に、具体的に公図の面積と現況の面積のズレをどのように修正するのか、解説します!
登記面積と公図のズレ
以下のような土地があった場合・・・・どの面積を採用するのが正しいでしょうか?
① 公 簿 面 積 :900.00㎡
② 公図から測った面積:977.02㎡
本来、財産評価基本通達8の趣旨からは実測面積を採用すべきです。
しかしながら実測にはお金も費用も掛かります・・・・
現実的ではない場合もあるでしょう・・・
では?税理士の先生方は①公簿面積と②公図から測った面積に大きな差があるケースで土地評価を行う場合、どちらの面積を採用するのでしょうか?
答えは・・・・
- 大分部部の税理士先生は ①公簿面積 を採用する
のではないでしょうか?
このような場合、上記のような不整形地ならともかく、土地が正方形、長方形の場合、間口×奥行が公簿面積と大きくずれることになりますよね・・・・
この現象は特に「広大地判定」において困った事態を引き起こす可能性があるのです!
なぜなら・・・・・
広大地判定において想定した分割後の宅地面積の合計が公簿面積と合わない事になったり、そもそも開発指導要綱に定める最低敷地面積を下回る面積の宅地を含んだ開発計画を想定してしまう危険性があるのです・・・・
そこで公図から計測した面積を公簿面積に一致させておくことは土地評価の作業において何かと便利なのです!
広大地判定において公簿面積と公図から計測した面積が大きく異なる場合、開発指導要綱に沿った分割計画をおこなったつもりでも、これらに適合しない開発案となってしまっている場合がある。
公簿面積と公図から計測した面積のズレを補正する方法
実はCADを使えば公簿面積と公図から計測した面積を調整することは難しいことではありません。
代表的な方法として・・・・
- 1 1点固定による面積調整
- 2 重心固定による面積調整
- 3 多点固定による面積調整
をご紹介します。
① 1点固定による面積調整
1点固定による面積調整とは・・・・
- 土地の区画を構成する基準点を固定して、元地番の相似形に新たに点と地番を作成します。
すなわち・・・・
公図の1点を固定して他の部分を伸縮させて公図面積を公簿面積に調整する方法です!
【 1点固定による面積調整 】
本件では一番下の角だけ固定して他の点は内側に移動しています。
1点を起点に縮小をかけて面積を調整するイメージです。
② 重心固定による面積調整
重心固定による面積調整とは・・・・
- 土地の重心を固定して、元々の土地の相似形に新たに点と地番を作成します。
すなわち、対象地の中心(重心)を基点に公図を収縮させて公図面積を登記面積に調整する方法です。
【 重心固定による面積調整 】
本件では土地の中心(重心)を固定して他の点は内側に移動しています。
重心を起点に縮小をかけて面積を調整するイメージです。
③ 多点固定による面積調整
多点固定による面積調整とは・・・・・
- 土地構成点の多点を指定し、指定面積になる土地を作成します。
動かしたくない点と動かしても良い点を指定して公簿面積に調整する方法です。
【 多点固定による面積調整 】
本件では角を固定して他の点は内側に移動しています。
指定した角を起点に縮小をかけて面積を調整するイメージです。