地代改定と鑑定評価(その1)-地代改定をめぐるトラブル
なぜ賃料についてもめるのか?
最近、賃料の鑑定評価、中でも地代の鑑定依頼が急増している気がします・・・
そこで何故、地代の鑑定評価が必要になるのか?なぜ地代や賃料改定でトラブルが発生するかについて書いてみることにしました!
賃料改定を巡るトラブル
土地や建物を借りるときの地代や家賃はどのように決められるのでしょうか?
この場合の賃料は当事者間の合意によって決定されるのが原則です!
いわゆる「契約自由の原則」ですね・・・
ここで最初に申し上げなければならない重要なポイントがあります!
それは・・・・・
- トラブルになるのは家賃ではなく、土地の地代の方が圧倒的に多いのです!
では、なぜ家賃よりも地代がトラブルになるのかについて考えてみましょう!
家賃の特徴
家賃は比較的情報に透明性があり、地域の相場も比較的把握しやすいです。また、土地の賃貸借と比べれば期間はずっと短いと言えます。
地代の特徴
これに対し、地代の相場は見えにくいのが現状です。土地賃貸借の場合、地主と借地権者との閉ざされた間における契約であり、地代の水準がオープンになることは稀です。
また建物賃貸借に比べ土地賃貸借の期間は通常何十年にもわたる長期の契約です。
地代の増減額請求と自動増額特約
このように地代のトラブルが絶えないのは・・・・
- 1当事者間という閉ざされた関係で地代を合意していること
- 2期間が相当長期化するのが常態であること
から、当初合意された地代の水準が時を経るに従って実情に合わなくなる事態が生じるのです!
だから土地の地代の方が家賃に比べトラブルが圧倒的に多いのです。
さらに・・・・
借地借家関係をより複雑にしているものとして地代の増減額請求と自動増額特約などがあげられます。
地代を改定するにも、又は改定して欲しいと当事者が思っていても、一体どのぐらいの水準が妥当な地代なのかが不透明なのです!
このため鑑定評価書が必要となるケースが出てきます。
地代は契約締結から時間が経ったものほど実情との乖離が生じてトラブルになりやすく、それを是正するにも適正な指標がないためトラブルとなりやすい!!!