公図面積と登記面積のズレを修正する方法⑥ 「国土調査の進捗状況」について
国土調査の進捗状況?
このテーマでは、財産評価、広大地判定において土地面積を出来る限り正確に把握することの重要性について書いてきました。国税庁の「質疑応答事例」においても・・・・・・
「実際の地積」によることの意義について以下のように回答されています。(繰り返しになりますが・・・・)
「実際の地積」によることの意義
【照会要旨】
土地の地積は、「実際の地積」によることとなっていますが、全ての土地について、実測することを要求しているのでしょうか。
【回答要旨】
土地の地積を「実際の地積」によることとしているのは、台帳地積と実際地積とが異なるものについて、実際地積によることとする基本的な考え方を打ち出したものです。
したがって、全ての土地について、実測を要求しているのではありません。
実務上の取扱いとしては、特に縄延の多い山林等について、立木に関する実地調査の実施、航空写真による地積の測定、その地域における平均的な縄延割合の適用等の方法によって、実際地積を把握することとし、それらの方法によってもその把握ができないもので、台帳地積によることが他の土地との評価の均衡を著しく失すると認められるものについては、実測を行うこととなります。
また、これに関連して「公図」や「地積測量図」の種類や実際の実際地積の把握方法などについて書いてきました。
本来は法務局で正しく地積や場所を反映した図面を全国どこでも取得できることは一番望ましいのは明白です。
すなわち、精度の高い調査・測量の成果に基づいて作成された不動産登記法第14条第1項の規定による地図が全国で整備されれば公図と現況のズレの問題は解決されるのです。
しかしながら、現状では備え付けが完了していない地域が多くあり、いまだ不正確な公図に基づいて財産評価を行わなければならないのが現状です。
そこで今回は「不動産登記法第14条第1項の規定による地図」の整備は全国的にどれくらい進んでいるのか?全国の地籍調査の進捗率について書いていきたいと思います!
第6次国土調査事業十箇年計画(平成22年5月)
平成22年5月に閣議決定された第6次国土調査事業十箇年計画では、地籍調査(国土調査)の一層の促進を図るため、地籍調査を緊急に実施すべき地域を絞り込み、優先的に地籍を明確にすることを目標としています。特に調査の遅れている都市部及び山村部については、地籍調査の進捗率を5割程度まで引き上げることを目指すこととしています。また、第6次計画においては、国が基礎的な情報を整備する基本調査についても新たに十箇年計画に記載され、計画的な実施を図ることとしています。
【 国土調査事業十箇年計画 (抜粋)】
地籍調査対象面積(全国土面積から国有林野、公有水面等の面積を除いた地域の面積)に対する地籍調査実施地域の面積の割合を、49%(平成21年度末時点)から57%(平成31年度末時点)とし、特に人口集中地区における地籍調査実施面積の割合を、21%から48%とし、人口集中地区以外の林地における地籍調査実施面積の割合を、42%から50%とすることを目標とする。
人口集中地区とは?
日本の国勢調査において設定される統計上の地区である。英語表記を略して「DID」地区とも呼ばれます。市区町村の区域内で人口密度が4,000人/km2以上の基本単位区が互いに隣接して人口が5,000人以上となる地区に設定されます。都市的地域と農村的地域の区分けや、狭義の都市としての市街地の規模を示す指標として使用されます。
ここで注意すべき点として・・・・・
人口集中地区ほど国土調査が進んでいないということです!
言い換えれば路線価が高い、路線価が設定されている地区について国土調査が進んでいないことです!
これは相続税申告業務を行う税理士先生は是非知っておいて頂きたいのです。
都市部であっても公図と現況が大きくずれていることは普通の事なのです。
全国の人口集中地区は以下のとおりです!
より正確な地積が必要な路線価が高い地区について国土調査が進んでいません・・・・
人口集中地区における地籍調査実施面積の目標割合は平成31年度末で、21%→48%ですから・・・
人口集中地区データの無料ダウンロードについて
折角なので人口集中地区データをKMLファイルとしてデータアップしました。
ご興味ある方はダウンロード可能です。
■ 関連情報 ■
人口集中地区のデータダウンロード
全国の地籍調査の進捗状況は?
詳細は国土交通省のHPで調べることができます。
非常に分かりやすいです!
興味のある方はご参照ください。
■ 関連情報 ■
地籍調査状況マップのHP