民法上の使用貸借について
民法における取扱いについて
先述の通り使用貸借はタダですから非常に弱い権利で民法上保護されませんが・・・・
民法上の使用貸借で重要になるポイントは以下の通りです。
- ポイント1少しでも地代を払っていたら賃貸借か?
- ポイント2使用貸借は相続の対象となるか?
- ポイント3使用貸借の権利の脆弱性
以下、検討してみましょう!
少しでも地代を払っていたら賃貸借か?
この部分は実務上、悩ましい所です。
何故なら・・・・
- (建物所有目的の)賃貸借 = 借地権 = 借地権者(借主)の強い権利
となるからです。
例えば「月1万円程度の非常に低廉な地代を払っていたら即時に借地権となってしまうのか」ということです。
答えは NO です。
借主が通常の費用負担をした程度では賃貸借ではなく、使用借です。
例えば当事者で使用借が行われている場合に、借主が固定資産税相当額を貸主に払っていても、これは「通常の費用負担の範囲」に含まれるので、あくまで使用借です。
よって民法、借地借家法による保護はありません。請求されたら即時明け渡しが原則です。
使用貸借は相続の対象になるか?
答えは「使用貸借に相続性」はありません。
特段の定めがない限り借主が死亡した時点で使用貸借は当然にその効力を失います。
あくまで当事者間のみです。
使用貸借の権利の脆弱性
このように使用貸借は非常に弱い権利で借地借家法等の保護も受けられないので、貸主としては「何ら権利の制約がない」と考えれます。
従って、土地に使用借権が付着していても・・・・民法上は「ほぼ完全所有権と同等」の権利と言えます。
次に相続税法上の使用貸借について考えてみましょう!