一筆の土地の中で複数の地目が混在する広大地
土地評価では、地目の区分に応じて宅地、田、山林、雑種地は区分して評価するのが原則です。
しかし、例えば一筆の土地の中で自用地、貸宅地、畑、雑種地が混在している場合には・・・
どのように評価単位を分ければよいのでしょうか???
更に・・・自用地部分について広大地に該当する可能性が高い場合には精度の高い地目の判定が不可欠となります!
多くの税理士先生が実務で悩まれる問題だと思います。
地目別評価の原則
この考え方は税務特有の考え方で、一般的に土地を売買する単位と異なるケースも多々あります。
土地評価ではこの「税務特有」の規定を十分に理解し、多角的な視点から評価単位の判定が行える専門知識が必要となります。
今回は以下のような土地について考察しましょう!
- 1土地は一筆のみ
- 2利用は自用地、貸家建付地、雑種地、畑に分かれている
- 3貸家は店舗と共同住宅で別棟である
- 4駐車場は共同住宅の入居者専用と隣接店舗の駐車場に分かれる
- 5畑はいわゆる家庭菜園である
評価単位の判定
上記の例であれば評価単位は下記の4単位になります。
- 評価単位 1 A+D:自用地(宅地)と家庭菜園(畑) → 広大地の可能性あり
- 評価単位 2 B:貸家建付地(店舗)
- 評価単位 3 C+E:貸家建付地(宅地)と入居者専用の駐車場(雑種地)
- 評価単位 4 F:雑種地(隣接店舗に貸している駐車場)
ここで問題となるのは・・・・・
上記の土地はすべて1筆の中で利用が分かれているだけなので、税理士先生が評価を行うには、それぞれの評価単位に応じて土地を確定しなければなりません。
「地目別評価の実例」の中にある点線の部分を図面で明示する必要があるのです。
しかも評価単位1に関しては広大地に該当する可能性が高いため、精度の高い図面でA+Bの部分をはっきりさせる必要があります。
ここで有益なのは測量士・土地家屋調査士の先生にお願いして土地評価用の図面を作成してもらうことです!
一筆の土地の中で利用が分かれている場合には現況測量によって地目別・評価単位別に土地の範囲をはっきりさせ、図面を作成する方法が有効である。