三大都市圏(首都圏)のまとめ:地積規模の大きな宅地の評価

地積規模の大きな宅地について三大都市圏(首都圏)に該当する範囲

 

これまで「地積規模の大きな宅地」について、特に三大都市圏に該当する都市に着目した記事を書いてきました。

広大地改正(廃止)により新設された「地積規模の大きな宅地の評価」を国税庁のフローチャートに従って、その適否を判断する場合に、市域の全てが三大都市圏に該当する場合には判断に迷いは生じませんが・・・

 

市域のうち一部についてのみ三大都市圏に該当する都市では、実務上の作業において判断を誤るケースが想定されます。

 

そこで、三大都市圏として例示されている都市のうち一部地域についてのみ、500平米から地積規模の大きな宅地の評価の適用が認められる都市に着目し、その具体的な範囲を図示してきました。

 

今回はちょうど東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県を含む首都圏について一部適用都市の範囲をすべて網羅したので、これらを一度まとめることにしました!

 

 

実務で想定される「地積規模の大きな宅地の評価」の適用判断

 

首都圏において、土地評価を行っているときに被相続人所有の土地で500平米ないし1,000平米の土地がある場合には、下記の土地に該当するかを、まず調査する必要がありますね!

 

そこで・・・・

実務上、神奈川県相模原市に「500平米以上かつ1,000平米未満」の土地があった場合、その土地について財産評価基本通達20-2の適用が可能かを判断しなければなりません!

 

 

もし、下記要件を満たす土地があるとしましょう!

 

 

  •  路線価地域に所在する土地で・・・
  •  普通商業・併用住宅地区又は普通住宅地区に所在しており
  •  市街化調整区域以外の地域に所在し
  •  都市計画法上の用途地域が「工業専用地域」以外であり
  •  指定容積率が300%未満(実質的には容積率200%以下ですね)

 

 

であり、その土地が

 

 

  1.  1  「神奈川県相模原市」に所在する
  2.  2   地積が750平米の一団の土地

 

 

であった場合

その土地について財産評価基本通達20-2の適用が可能かを判断しなければなりません!

 

これが実務ですね!

 

国税庁のHPで例示されている土地一覧についても・・・

一番下の欄に下記の注意書きがあります!

 

 

(注)「一部」の欄に表示されている市町村は、その行政区域の一部が区域指定されているものです。評価対象となる宅地等が指定された区域内に所在するか否かは、各市町村又は府県の窓口でご確認ください。

 

実務ではこれを自分で調べなくてはいけないのです!

では実際にはどのように判定したらよいのでしょうか??

 

 

三大都市圏(首都圏)に該当する具体的な都市

 

三大都市圏(首都圏)に該当する都市のおさらいです!

下記に図示・列挙してみました!

 

お気づきかとは思いますが、上記の神奈川県相模原市は原則の例外なのです。

すなわち市域の全域ではなく、その一部地域についてのみ500平米から「地積規模の大きな宅地の評価」を適用できる都市なのです!

 

 

 

■ 三大都市圏(首都圏)の具体的範囲 ■

地積規模の大きな宅地の評価 国税庁

 

 

 

東京都

東京都 (全域)

特別区、武蔵野市、八王子市、立川市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市、瑞穂町、日の出町

 

埼玉県

埼玉県(全域)

さいたま市、川越市、川口市、行田市、所沢市、加須市、東松山市、春日部市、狭山市、羽生市、鴻巣市、上尾市、草加市、越谷市、蕨市、戸田市、入間市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、桶川市、久喜市、北本市、八潮市、富士見市、三郷市、蓮田市、坂戸市、幸手市、鶴ケ島市、日高市、吉川市、ふじみ野市、白岡市、伊奈町、三芳町、毛呂山町、越生町、滑川町、嵐山町、川島町、吉見町、鳩山町、宮代町、杉戸町、松伏町

 

埼玉県(一部)

熊谷市 : 旧大里郡大里町の部分のみ

飯能市 : 旧旧飯能市の部分のみ

 

 

 

 

■ 埼玉県の一部三大都市圏に含まれる都市 ■

国税庁 地積規模の大きな宅地

 

 

千葉県

千葉県(全域)

千葉市、市川市、船橋市、松戸市、野田市、佐倉市、習志野市、柏市、流山市、八千代市、我孫子市、鎌ケ谷市、浦安市、四街道市、印西市、白井市、富里市、酒々井町、栄町

 

千葉県(一部)

木更津市: 木更津市の西側部分のみ

成田市 : 旧成田市の部分のみ

市原市 : 市原市の北側部分のみ

君津市 : 君津市の北西部分のみ

富津市 : 富津市の北側部分のみ

袖ケ浦市: 旧袖ケ浦町の部分のみ

 

 

 

 

■ 千葉県の一部三大都市圏に含まれる都市 ■

国税庁 地積規模の大きな宅地

 

 

神奈川県

神奈川県(全域)

横浜市、川崎市、横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ケ崎市、逗子市、三浦市、秦野市、厚木市、大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、南足柄市、綾瀬市、葉山町、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、松田町、開成町、愛川町

 

神奈川県(一部)

相模原市: 旧相模原市、旧城山町の部分のみ

 

 

 

 

■ 神奈川県の一部三大都市圏に含まれる都市 ■

国税庁 地積規模の大きな宅地 フローチャート

 

 

茨城県

茨城県(全域)

龍ケ崎市、取手市、牛久市、守谷市、坂東市、つくばみらい市、五霞町、境町、利根町

 

茨城県(一部)

常総市 : 旧水海道市の部分のみ

 

 

 

 

■ 茨城県の一部三大都市圏に含まれる都市 ■

国税庁 地積規模の大きな宅地 三大都市圏

 

 

三大都市圏のうち市街化区域はその範囲?

 

これで三大都市圏の範囲は具体的に判断可能となりました。

では次に適用対象の判定のためのフローチャートに従い、路線価地域に所在するか?について考察しましょう。

 

なお、国税庁の適用要件チェックシートでは、まず市街化調整区域以外の地域に所在するか調査することを求めています。

 

路線価地域は都市計画法上の市街化区域と概ね範囲が同じですから、実務上は国税庁の路線価図と共に対象地が市街化区域か市街化調整区域か、またはその他の地域かどうかを調べることになります。

 

では三大都市圏(首都圏)について市街化区域と市街化調整区域が具体的にどのように指定されているかを調べます。

 

下図の黄色い部分が市街化区域です。

 

従って、区画整理事業施行地を除いて、概ねこの範囲が路線価地域といえます!

 

 

 

 

■ 三大都市圏(首都圏)の市街化区域の具体的な範囲 ■

地積規模の大きな宅地 路線価地域

 

 

三大都市圏のうち工業専用地域の指定部分はどの範囲?

 

さらに工業専用地域の指定の有無について調べてみましょう!

ちなみに工業専用地域などの用地地域は原則的には市街化区域を中心に設定されます。

 

下図の青い部分が工業専用地域の指定区域です。

 

あとは対象地について国税庁のHPで実際に路線価が付されているか?

普通商業・併用住宅地区又は普通住宅地区に所在しているか?

 

を調べるだけです!

 

 

 

■ 三大都市圏(首都圏)の工業専用地域の具体的な範囲 ■

地積規模の大きな宅地の評価 国税庁

 

路線価と地区の確認及び指定容積率の確認

 

最後に路線価図で路線価がいくらで設定されているか?

さらに東京都特別区においては指定容積率が300%未満か?(実質200%以下の指定かどうか)

特別区以外の地域では400%未満か?(実質300%以下の指定かどうか)

を調査すれば・・・

 

500平米で「地積規模の大きな宅地」と判断できるのか、1,000平米必要な地域なのか?そもそも地積規模の大きな宅地に該当しないかを具体的に判断することになります!

 

なお、国税庁が公表している「適用対象の判定のためのフローチャート」と「適用要件チェックシート」では微妙に表現がことなっているので正確な理解のもと正しく運用してください。

 

これで三大都市圏のうち首都圏については実務上の判断で間違えることはありませんね!

一部のみ500平米で適用可能な都市についても攻略できました!

 

 

そもそも首都圏とは?

 

色々な方とお話しすると、そもそも三大都市圏の定義をよく理解されていない方がいらっしゃいます。

確かに・・・広大地や地積規模の大きな宅地の評価を行う場合に詳しく知らなくても判断できる場合も多いのですが・・・

 

やはり専門家であれば、法律や通達の背景をしっかり押さえておきたいものです!

 

そもそも首都圏とは首都圏整備法と首都圏整備法施行令によって定義された範囲なのです。

「東京都の区域及び政令で定めるその周辺の地域を一体とした広域」が首都圏を指すのですが、東京都以外の部分については首都圏整備法施行令によって埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県、栃木県、群馬県及び山梨県が「その周辺の地域」と定められているのです。

 

 

 

■ 首都圏の具体的な範囲 ■

地積規模の大きな宅地の評価 広大地改正

 

 

そして上記1都7県のうち首都圏整備法第2条第3項に規定する既成市街地又は同条第4項に規定する近郊整備地帯に指定されて、はじめて三大都市圏と呼ばれるのです!

 

これを具体的にまとめると、首都圏の三大都市圏とは・・・

 

 

  1.  ①  東京都(首都圏整備法)
  2.  ②  埼玉、千葉、神奈川、茨城、栃木、群馬、山梨県(首都圏整備法施行令)

 

 

の1都7県のうち

 

 

  1.  ③  既成市街地又は近郊整備地帯の指定区域

 

 

これらの要件がすべて満たされた範囲が初めて三大都市圏となるのです!

 

従って上記の三大都市圏(首都圏)に該当する具体的な都市のうち市域の一部のみが三大都市圏となっている都市は、市域の一部についてのみ「近郊整備地帯」の指定がなされていると理解されます。

 

その発生原因は市町村合併でもともと近郊整備地帯の指定がある都市とない都市が合併してしまった結果であったり、そもそも地域の一部のみに近郊整備地帯の指定がなされていたりと理由は様々です!

 ちなみに首都圏の既成市街地と近郊整備地帯をピックアップして図示すると下記のようになります!

 

 

 

 ■ 首都圏のうち既成市街地及び近郊整備地帯の指定範囲(ピンク色) ■

地積規模の大きな宅地 広大地評価改正

さらに地積規模の大きな宅地と首都圏整備法をもっと理解するために・・・・

首都圏の既成市街地のみをピックアップして図示すると下記(赤色)のようになります!

既成市街地とは・・・

東京都の特別区の存する区域及び武蔵野市の区域並びに三鷹市、横浜市、川崎市及び川口市の区域のうち別表に掲げる区域を除く区域と定義されていますが、別表が非常に細かいのでさすがにここは割愛しましょう!

 

地積規模の大きな宅地に関していえば、既成市街地のみをピックアップすることは殆どありません。あくまで既成市街地と近郊整備地帯のいづれかに指定されていれば三大都市圏に該当することになりますので!

 

 

 

 ■ 既成市街地の指定範囲のみ(赤色) ■

地積規模の大きな宅地 広大地廃止

 

 

地積規模の大きな宅地の評価:フローチャート

 

フローチャート 三大都市圏に該当する都市

 

 

 

地積規模の大きな宅地-500平米で適用可能な地域(一部はどこ?)

500㎡で適用可能(一部)

 

■ 関連情報 ■
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