土地の時価とは?なぜ土地の時価を判定する必要があるのか?
なぜ「土地の時価」を判定する必要があるのか?
ご依頼者の方が土地の時価を必要とする理由は以下の二つに大別されます。
土地所有権の移転とともに対価(金銭)が移転するか否かが重要なポイントとなります。
動態的な財産評価の必要性
例えば土地を売却・購入する場合が典型的な例です。
この様な場面においては、「土地がいくらである」と言うことを時価で指し示す必要性は低いのです。
何故なら、時価より高い土地であっても売主と買主が双方納得すれば契約は成立しますし、なにより土地所有権と金銭が実際に移転する訳ですから・・・・・
すなわち、その売買代金が土地の価値に見合った金額なのかをチェックするために時価が必要となるのです。
土地を割高で買ったという事実を知るためだけに評価を求めるクライアントは少ないのです。
一部企業などで稟議や決済に至る過程で評価が必要な場面はありますが、特に個人間では必要性が乏しいです。
動態的な土地の売買を前提とした場合の所得税、法人税の領域では土地の時価把握よりも、売買金額が適正か?をチェックする尺度として時価が必要となる。
静態的な財産評価の必要性
例えば土地の相続や贈与する場合が典型的な例となります。
これらの場面では、土地の時価を把握する必要性が高いのです。
相続や贈与で問題となるのは、所有権は移転するが金銭の移転が無い!ことです。
このため当事者間では何ら問題とはなりませんが・・・・・
課税庁の立場から見ると・・・・・相続人等が享受した財産価値に対して適正な課税を行わなければなりません。
相続等ではその判断指標となる金銭対価の移転がないため客観的・画一的な手法により土地の時価を把握をする必要が生じます。
そこで、相続税法第22条では、財産(土地)の評価は時価によるものとしながらも、その具体的な算定方法は財産評価基本通達に委任する形式となっています。
対価が発生しない相続等により土地所有権が移転する場合の相続税、贈与税の領域では適正課税の観点から、財産評価基本通達により均一・公平的な手法により土地の時価を把握する必要があります。