相当の地代と土地評価
地代の決定方法について
借地権の設定に際して問題となるのが「地代」をいくらに設定するかです。
相当の地代とは簡単に言うと「借地権が財産的価値として認識される地域において権利金の授受に代えて支払われる地代」です。
そして土地の価値に応じて「相当の地代」を支払っている場合には「相続税法上の借地権価格はない」と判断されます。
いわゆる借り得部分がないからですね!
借地権を新規設定する場合、相当の地代はどうやって決めるのか?
相当の地代の設定方法は以下の4通りです!
- ケース1 土 地 の 時 価 × 年率6%
- ケース2 公示価格から算出した価格 × 年率6%
- ケース3 その年の相続税評価額 × 年率6%
- ケース4 相続税評価額の3年平均 × 年率6%
これらの手法は、あくまで今から借地権を設定する場合に「相当の地代」を決定する方法です。
では、既に設定されている借地権価格を算定する場合に用いる相当の地代はどのように計算するのでしょうか?
既に設定された借地権価格を求める場合の相当の地代は?
既に発生した借地権の価格を算定する場合に用いる場合の相当の地代は上記のうち「ケース4.相続税評価額の3年平均 × 年率6%」しか認められません。
入口と出口、法人税と相続税の知識、整理が必要です。
借地権(保護)はあるが借地権価格はないケースとは?
ケース4の方法により借地権設定時から毎年、地価の変動に応じて相当の地代を改定している場合は・・・
- 「自然発生借地権はない」 = 「相続税法上の借地権価格はない」
という関係が成り立ちます。
但し、借地人は地代を支払っているのですから「民法上の借地権は当然ある」と判断されます!
「相当の地代」決定方法は借地権設定時(入口)では4手法、発生した借地権価格の把握(出口)では1手法のみ!
民法と相続税法、法人税法の区分認識が重要です。