不動産オーナー必見!賃料を増額できる可能性が高い地域はどこ?-その1
数年前から、賃料に関する問い合わせが増加しており、ご相談を頂く機会が多くあります
この場合、ご相談者様の最大の関心事は端的に言うと
- 賃料が上昇している地域であるか
- 賃料が下落している地域であるか
に集約されます。
そこで、賃料が上昇または下落傾向にあると思われる地域を視覚的に図示してみます。
が・・・
その前に、賃料の増減額請求についておさらいをしてみます!
なぜ賃料の傾向を図示可能なのかは、特に家賃の構成内容について少し整理する必要があるのです!
賃料が上昇または下落傾向にあると思われる地域を視覚的に図示!
賃料についての相談内容の種類は?
ご相談者の立場、スタンスから相談内容は様々ですが、大別すると以下の組み合わせが中心となります。
- 1 相談者の立場
- 2 相談内容
- 3 賃料の種類
これらの組み合わせでよくある相談内容を列挙してみましょう。
相談者の立場とは?
ご相談者が物件の貸主であるのか、借主であるのかが重要です。
さらに、貸主と借主の関係がクローズアップされるケースも多くあります。
例えば貸主と借主が親族である場合や経済的な利害関係者間であるケースも多く見られます。
多くは弁護士先生を経由してのご相談となる場合が多いのですが、当事者の関係、親族関係図などはしっかり留意する必要があります。
相談内容とは?
新規で契約を締結するのか?既に契約して継続中の家賃についてのご相談なのかが重要なのです。
そして値上げしたいのか値下げしたいのかの意向が加わります。
しかしながら、ご相談者の相談内容は、既に契約している賃料についてのご相談が大部分です。
何故なら、いわゆる「契約自由の原則」から、新規に契約する場合の賃料は当事者間の合意によって決定されるのが原則です!最初の契約時点では貸主、借主の双方が賃料に納得して契約するわけですから、賃料水準が問題となるケースは殆どありません。家賃が高すぎる場合などはそもそも契約締結に至らないのですから・・・
従って、相談内容の殆どは・・・・
継続中の賃貸借契約について更新を繰り返して長期間となっているケースが圧倒的に多いのです!
賃料の種類とは?
賃料にはその性質に応じて以下に分類可能です。
- 1 新規に契約する場合の賃料(新規賃料)
- 2 継続中の契約に基づく賃料(継続賃料)
更に・・・
- 1 家賃
- 2 地代
にも分けられます!
従って「契約中の契約に基づく賃料」と一口で言っても、継続家賃と継続賃料に分けられるのです!
家賃とは、簡単に言うと土地と建物を賃貸借している場合の賃料です。
地代とは、土地だけ借りている場合の賃料です。土地を借りてその借地の上に自分の建物を建てている場合の賃料が地代となります。
しかし、ここでちょっと注意が必要です。
例えば、Aさんは都心に2LDKのマンションを借りているとします。
そして毎月月末に家賃を支払っています。
この家賃の内訳はどの様に考えるべきでしょうか???
マンションの部屋を借りているのだから、払っている家賃は部屋、つまり建物の使用に対する対価でしょ?
っと考える方が非常に多くいらっしゃいます!
でも、建物は必ず土地や借地権の上に立ってます。
土地を経由せずに建物に入ることは中々想像し難いですよね!
つまり、家賃とは「土地」と「建物」の使用・占有に対する対価なのです。
そして、家賃の内訳は「建物が新しい」ほど、「建築費が高い」ほど建物使用料の比重が高くなります。
また、「土地単価が高い」地域ほど、「土地が値上がりしている」地域ほど、家賃に占める土地使用料の割合が増えるのです。
家賃 = 建物使用料 + 土地使用(占有)料 である!
このため、新規の家賃水準は土地価格の変動の影響を受ける!
話を単純にするために、極論すると・・・・
土地価格がずっと一定であれば、建物は年々古くなるので新規の募集賃料(新規家賃とします)は、年々下がっていくことになります!また、建物の劣化による価値減少分と同じだけ土地価格が上昇していれば新規家賃は一定と言えるのです!(実際は違いますが・・・話を簡単にするために極論です!)
では、ここで問題ですが建物の劣化による価値減少分よりも土地が大きく値上がりしている場合にはどうなるでしょうか?これまでの理論であれば新規家賃は上昇すると言えます。
他方、建物も劣化し、土地も値下がりしていれば新規家賃も大きく値下げして、新しい借主を入居させる必要があるのです。
このため、新規家賃は比較的イメージしやすいですし、新規地代はもっとイメージが鮮明となるはずです。
いずれのケースであっても土地価格が上昇傾向にあれば、新規家賃も新地地代も上昇傾向となりやすいと言えます!
では・・・・・
継続賃料の場合はどうでしょうか???
実は新規賃料と基本的には同じ考えなのですが両者はある2点において決定的に異なるのです!
じつはこの相違点ゆえに
鑑定評価書が必要となるケースが多く発生するのです!!!
その相違点については「次回」に詳しく記述していきます!
家賃は建物のみならず土地の使用・占有に対する対価であるため、地価が上昇すれば、家賃も上昇傾向となりやすい!