電力5社が自然エネルギー買取りの新規受付を終了!
電力会社の加速度的な負担増
太陽光などの再生可能エネルギーで発電された電力を電力会社が買い取る制度で、北海道電力、東北電力、四国電力、沖縄電力、九州電力の電力5社は2014年9月30日を最後に、自然エネルギー買取りの新規受付を保留しました。
再生可能エネルギーとは?
再生可能エネルギーとは、法律で「エネルギー源として永続的に利用することができると認められるもの」として、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、大気中の熱その他の自然界に存する熱、バイオマスが規定されています。再生可能エネルギーは、資源が枯渇せず繰り返し使え、発電時や熱利用時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど排出しない優れたエネルギーと言えます。
固定価格買い取り制度とは?
固定価格買い取り制度では、エネルギーの売り渡し価格を法律で決定する。再生可能エネルギー源の事業者は、決められた価格で決まった期間にわたり固定価格で買取してもらえるという制度です。
この価格は、普及量や生産コストの推移に従って定期的に見直され、計画的に逓減していくが、既に導入された分についてはこの見直しは影響しません。
なぜ買い取りが保留されるのか?
近年、太陽光発電設備は急増している。九州における2014年5月末までに固定価格買取制度の認定を受けた太陽光発電設備の容量は1782万kWに達して、夏の電力需要のピーク(約1600万kW)を上回るまでに急増しています。
再生可能エネルギーの発電設備が抱える最大の問題は、太陽光や風力による出力が天候の影響を受けて大きく変動する点にあります。
電力は需要と供給を常に一致させる「同時同量」が原則で、これが崩れると周波数が不安定になり、最悪の場合には大規模な停電を発生させる可能性が出てきたのです。
こうした状況をふまえて、九州電力は今後の接続可能量を見極める検討に「数カ月」を要するとして、その間の接続申し込みを保留したのです。
エネルギー供給体制の改革に深刻なブレーキ
公式には買い取り中断としていますが、現段階で再開する予定はありません。
関西電力、東京電力、中部電力は現在も買取りを行っているようですが、将来も新規買取りを継続するという保証はないのが、5社の対応で明らかになりました。
他の地域にも波及することは確実で、全国の発電事業者の導入意欲を損ねる事態になっています。