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マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部改正について

進まないマンションの耐震化の促進

 

マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案が2月28日、閣議決定されましたが・・・
その改正法律案についての関係資料が国土交通省から公表されました。

この改正の背景には古いマンションの耐震不足問題が大きく絡んでいます。

 

 

日本のマンションの現状は?

現在、日本にあるマンション戸数は約5,900,000戸ぐらいです。
そのうち旧耐震基準により建設されたものが約1,0600,000戸程度だそうです・・・
分かりやすく言うと地震に弱いマンションが占める全体の割合が約18%もあることになります。

 

このうち、建替えはこれまで183棟(約14,000戸)しか実施されていません!
これは旧耐震基準のマンションの約1.3%程度ですから・・・・
約98.7%のマンションについて対策が出来ていない計算になります。

 

巨大地震発生に備えるためには耐震性不足のマンションの耐震化の促進!が緊急の課題です・・・
スムーズな立て替えを促進するために「多数決でマンション及びその敷地を売却することを可能とする制度」

を創設などの改正が行われることになりました。

 

 

改正の概要

 

改正概要の主要部分を抜粋すると・・・

 

 

  • 耐震性不足認定マンションは、区分所有者等の4/5以上の賛成で売却を行う旨を決議可能
  • 買受希望者は、決議前に買受計画を作成、都道府県知事等の認定を受けることができる
  • 決議合意者は、決議合意者等の3/4以上の同意で売却を行う組合を設立可能
  • 組合は、決議に反対した区分所有者に対し、マンションを時価で売り渡すことを請求可能

 

 

マンションという大切な財産に関わることですから、色々な意見が出るでしょう。

個人的には・・・・4/5以上の賛成を達成するにはかなりハードルが高い気がしますが・・・・

 

 

 

旧耐震基準とは?

 

そもそも、旧耐震基準により建設されたマンションとは・・・・
概ね昭和56年以前に建設されたマンションを意味して良いと思います。

 

そもそも旧耐震基準のマンションとは中地震に耐えるように設計されているもので、大地震に対するチェック

はなされていません。例えば・・・阪神・淡路大震災では旧耐震の建物は30%弱が大破以上の被害を受けてい

ます。

 

これに対し新耐震基準以降(昭和56年)の建物は、地震による建物の倒壊を防ぐだけではなく、建物内の人間

の安全を確保することに主眼がおかれたものに改正されました。

 

旧基準の震度5程度の地震に耐えうる住宅との規定は、新基準では『震度6強以上の地震で倒れない住宅』へ

の変更されています。

 

また、中地震に対して損傷しないことのみならず!大地震に対して倒壊しないこと、構造的に平面と立面的な

バランスへの配慮等が要求されているのです。

 

 

新耐震基準なら万全か?

残念ながら・・・・
耐震基準はあくまでも現時点の知見と技術レベルに基づいて決められた最低ラインに過ぎないのです。

地震は自然災害ですから耐震基準を満たしていれば建物が絶対に安全という訳ではないのです。

 

既にマンションの立て替え問題などは顕在化していますが、マンションについてはこれから更なる活発な議論

が期待されます。

 

 

 

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