婚外子の相続差別を解消
婚外子と嫡出子の相続分は原則同じに
結婚していない男女間に生まれた婚外子(非嫡出子)の遺産相続分を法律上の夫婦の子(嫡出子)の半分とする規定を削除する民法改正案が12月5日の参院本会議で可決、成立しました。
9月の最高裁決定で、非嫡出子の規定は法の下の平等を定めた憲法に違反すると判断したのを受けた措置です。
婚外子と嫡出子の相続分は原則同じになります。
改正法の付則に基づき、法施行前でも最高裁決定後に開始した相続ならば、さかのぼって適用されます。
明治時代から続く格差規定が15年で解消へ
改正案は民法900条の「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とする」との規定を削除する内容です。
最高裁大法廷は9月、民法の婚外子規定について・・・・
- 1日本社会に法律婚制度は定着しているが、家族の形態は多様化している
- 2父母が婚姻関係にないという子にとって選択余地がない理由で不利益を及ぼすことは許されない
として違憲判断を示していました。
婚外子規定は1947年の民法改正でも存続し、1995年の最高裁大法廷は合憲と判断していましたが、婚姻や家族形態の多様化を踏まえ、2010年ごろから各地の高裁レベルで違憲判断が出始めていました。