初回の面談は無料です。お電話での予約はこちら お電話でのお問い合わせはこちら052-238-1911

広大地の適用要件3 開発道路か路地状敷地か?微妙なケースの判定方法

先日の「広大地の適用3要件について」にてお伝えしたように、要件3の判断では評価対象地がどのケースに該当するかを判断しなければなりません。

 

  1. ケース1明らかに開発道路を設けないと区画割できない土地
  2. ケース2開発道路が必要か、路地状敷地による分割で足りるのか?が微妙な土地
  3. ケース3明らかに開発道路を設けないで区画割できる土地

 

実務上、一番悩ましいのはケース2の場合です。

当然、弊社に持ち込まれる案件の殆どがケース2の場合です。

 

 

なぜ適用要件3に該当するかの判断が悩ましいのか?

広大地とは、最有効使用が戸建の開発素地で潰れ地が生じる土地でなければなりません。

すなわち、ディベロッパーが開発する際に最も利益がでる分割方法が開発道路等を設けた分割でなくては広大地に該当しないことになります。

 

しかし、その分割案は評価対象地の地域性と土地固有の個別性に依存するために判断が一様ではなく、課税庁側の担当者によっても判断が異なるからです。

 

国税不服審判所の見解

広大地の評価は、戸建住宅分譲用地として開発した場合に相当規模の公共公益的施設用地の負担が生じる宅地を前提としていることから、「公共公益的施設用地の 負担が必要と認められるもの」とは、経済的に最も合理的に戸建住宅の分譲を行った場合にその開発区域内に道路の開設が必要なものをいいます。

 

したがって、例えば、次のような場合は、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担がほとんど生じないと認められるため、広大地には該当しないことになります。

 

  • 公共公益的施設用地の負担が、ごみ集積所などの小規模な施設の開設のみの場合
  • セットバック部分のみを必要とする場合
  • 間口が広く、奥行が標準的な場合
  • 道路が二方、三方又は四方にあり、道路の開設が必要ない場合
  • 開発指導等により道路敷きとして一部宅地を提供するが、道路の開設は必要ない場合
  • 路地状開発を行うことが合理的と認められる場合

 

 なお、「路地状開発を行うことが合理的と認められる」かどうかは次の事項などを総合的に勘案して判断します。

 

  1. 1路地状部分を有する画地を設けることで「標準的な宅地の地積」に分割できること
  2. 2その開発が都市計画法、建築基準法、都道府県等の条例等の法令に反しないこと
  3. 3容積率及び建ぺい率の計算上有利であること
  4. 4評価対象地の存する地域において路地状開発による分譲が一般的に行われていること

 以上が課税庁、国税不服審判所の見解です。

 

 

開発道路が必要か、路地状敷地で足りるのかの実務上の判断

弊社では「ケース2 開発道路が必要か、路地状敷地による分割で足りるのか?が微妙な土地」については・・・

必ず分割案を複数作成し、それぞれについて開発法準用方式を適用、どの分割案が最も分譲販売総額が高くなるかを計算します。

 

広大地 分割案-2

 

開発法準用方式とは・・・・

開発法準用方式とは・・・・

鑑定評価方式の考え方を財産評価に準用する方法で、簡単に説明すると・・・

  • 分譲販売総額 -( 造成費+販売費及び一般管理費+販売利益 )= 評価対象地(広大地)の価額

となります。

評価対象地は面積が著しく大きいことが前提ですから、その買手は当然、開発を前提とするディベロッパー等の法人になります。法人の行動原理は「企業利益の追求」であり、最も分譲販売総額が高くなる分割を行うはずです。

 

そして、最も販売総額が高くなる分割を前提に評価対象地を購入(仕入)するのです。

従って、複数作成した分割案のうち「開発道路を設けた分割案」が最も分譲販売総額が高い分割方法(評価対象地の仕入価格が最も高い)がであれば、適用要件3に該当することを証明できます。

 

 

開発道路が必要か、路地状敷地による分割で足りるのか微妙な土地については・・・・・

 

必ず複数の分割案(法令順守)を作成する

②すべての分割案(開発道路・路地状敷地のみ)に開発法準用方式を適用

③開発道路を設けた分割案が最も合理的であることを「計算」で証明する

 

ここがポイントです!

 

■ 関連情報 ■
広大地評価とは?その歴史と背景
広大地の適用要件1 標準的面積の判定方法
広大地の適用要件2 マンション適地か否かの具体的な判定方法

 

 

初回の面談は無料です。お電話での予約はこちら お電話でのお問い合わせはこちら052-238-1911 インターネットでのお問い合わせ

ページの先頭に戻る